本記事では、移動体通信エンジニアの設計業務の中でも 伝送設計・IP設計 について解説します。
伝送設計・IP設計は、 基地局とコアネットワークをつなぐ 通信の通り道(バックホール) を設計する業務です。
▶ 移動体通信エンジニアの仕事全体は お仕事マップ(J1〜J9) で整理しています。
伝送設計・IP設計とは、 基地局から発生する通信トラフィックを どの回線で、どの経路で、どのようにコアNWへ届けるか を決める業務です。
光回線やIPネットワークを前提に、 帯域・冗長・QoS・VLANなどを設計し、 安定した通信が維持できる構成を検討します。
伝送設計・IP設計は、 いきなり始める業務ではありません。
事前に行われる 設計前提条件の整理(KPI・トラフィック・障害履歴) によって把握したトラフィック傾向や課題をもとに、 ネットワーク構成を具体化していきます。
▶ 前提となる工程: 【J3-①】設計前提条件の整理(KPI・トラフィック・障害履歴)
また、無線設計(エリア設計・アンテナ設計)で決めた構成を ネットワークとして成立させるために、 密接に連携しながら設計を行います。
▶ 関連工程: 【J3-②】エリア設計・アンテナ設計
伝送設計・IP設計は、 J3:設計(無線・伝送)フェーズ の中でも、 ネットワーク全体の安定性を左右する重要な業務です。
伝送設計・IP設計はどのフェーズの仕事か
伝送設計・IP設計は、 J3:設計フェーズにおいて、 基地局とコアネットワークをつなぐ 伝送・IPネットワーク構成 を決定する工程です。
設計内容は、 施工(J1)で回線・装置が構築され、 試験(J4)で疎通・性能確認が行われます。
伝送設計・IP設計で行う主な作業
- バックホール回線の選定(光回線・無線回線など)
- 帯域設計(トラフィック想定・将来増分考慮)
- 冗長構成設計(二重化・切替方式)
- IPアドレス・VLAN・ルーティング設計
- QoS設計・輻輳対策
これらの設計によって、 通信品質の安定性と 障害時の影響最小化を実現します。
なぜ伝送設計・IP設計が重要なのか
無線品質が良好であっても、 伝送やIPネットワークがボトルネックになると、 通信品質は大きく劣化します。
- トラフィック増加による帯域不足
- 冗長不足による障害影響の拡大
- 設計ミスによる輻輳・遅延
これらを防ぐため、 伝送設計・IP設計は 経験とネットワーク知識が強く求められる工程 です。
この業務は次のどの工程につながるか
伝送設計・IP設計の内容は、 以下の工程へ引き継がれます。
また、運用後に発生した課題は、 品質改善(J7) として再度設計にフィードバックされます。
▶ 関連フェーズ: J7 品質改善・KPI解析
伝送設計・IP設計に向いている人
- ネットワーク構成を考えるのが好き
- IP・ルーティング・VLANに抵抗がない
- 運用・監視経験を設計に活かしたい
この業務経験は、 ネットワーク設計エンジニアとしての専門性を高め、 将来的に PM/PMO(J8) へステップアップする際の強みになります。
まとめ
伝送設計・IP設計は、 移動体通信ネットワークを支える 見えないが極めて重要な設計業務 です。
この工程を理解することで、 無線だけでなく ネットワーク全体を俯瞰できる エンジニア像が見えてきます。
▶ 設計フェーズ全体は J3 設計カテゴリ一覧 をご覧ください。