J7 品質改善(経験者向け)

【J7-②】KPIを使った設計調整とは?移動体通信設計で品質を改善する実務解説

この記事では、J7(品質改善)フェーズにおける KPIを根拠にした設計調整の実務について解説します。

品質改善では、KPI解析やログ解析によって 「課題の方向性」が見えてきますが、 それだけでは品質は改善しません。

得られた結果をもとに、どのような設計調整を行うか を判断・実行する工程が、この「設計調整」です。

品質改善全体の流れについては、以下の記事で整理しています。

J7:品質改善・KPI解析・ログ分析の仕事内容


設計調整とは何をする工程か

設計調整とは、 KPIやログ解析の結果をもとに、 無線・パラメータ・構成の見直しを行う工程です。

設計段階(J3)で決めた内容が、 実環境に合っていない場合、 設計調整によって最適化を図ります。

そのため、設計調整は J3(設計)とJ7(品質改善)をつなぐ中核業務 といえます。


設計調整を行う前に確認すべきポイント

設計調整に入る前に、 以下の点を整理しておくことが重要です。

  • KPIのどの指標が悪化しているか
  • 時間帯・エリア・端末条件の偏りはないか
  • ログ解析で見えた原因仮説

これらを整理せずに調整を行うと、 場当たり的な対処になりがちです。


よくある設計調整のパターン

アンテナ・無線設計の調整

RSRPが低い、または特定エリアで品質が悪い場合は、 アンテナ調整が検討されます。

  • アンテナ方位の見直し
  • 電気・機械チルトの調整
  • 隣接セルとのカバレッジバランス調整

パラメータ調整

SINR悪化や干渉が疑われる場合は、 パラメータ調整によって改善を図ります。

  • ハンドオーバー条件の見直し
  • セル選択・再選択パラメータ調整
  • 出力制御・リソース割当の調整

トラフィック分散・構成見直し

スループット低下や輻輳が発生している場合は、 トラフィック分散や構成見直しが検討されます。

  • 隣接セルへのオフロード
  • 帯域拡張・構成変更
  • 増局の検討

設計調整の結果は必ず効果検証する

設計調整を行ったあとは、 必ずKPIやログで効果を確認します。

改善が確認できない場合は、 再度ログ解析に戻り、 別の要因を検討することもあります。

この仮説 → 実施 → 検証の繰り返しが、 品質改善の基本サイクルです。


次のステップ:改善施策の立案と判断

設計調整だけでは対応しきれない場合、 より大きな施策判断が必要になります。

アンテナ調整・パラメータ変更に加えて、 増局や構成変更をどう判断するかについては、 以下の記事で詳しく解説しています。

▶ 次に読む記事: 改善施策の立て方とは?アンテナ調整・パラメータ変更・増局判断の考え方


▶ J7全体の流れに戻る: J7:品質改善・KPI解析・ログ分析の仕事内容


-J7 品質改善(経験者向け)

© 2026 移動体通信のお仕事完全解説