この記事では、J7(品質改善)フェーズにおける KPIを根拠にした設計調整の実務について解説します。
品質改善では、KPI解析やログ解析によって 「課題の方向性」が見えてきますが、 それだけでは品質は改善しません。
得られた結果をもとに、どのような設計調整を行うか を判断・実行する工程が、この「設計調整」です。
品質改善全体の流れについては、以下の記事で整理しています。
設計調整とは何をする工程か
設計調整とは、 KPIやログ解析の結果をもとに、 無線・パラメータ・構成の見直しを行う工程です。
設計段階(J3)で決めた内容が、 実環境に合っていない場合、 設計調整によって最適化を図ります。
そのため、設計調整は J3(設計)とJ7(品質改善)をつなぐ中核業務 といえます。
設計調整を行う前に確認すべきポイント
設計調整に入る前に、 以下の点を整理しておくことが重要です。
- KPIのどの指標が悪化しているか
- 時間帯・エリア・端末条件の偏りはないか
- ログ解析で見えた原因仮説
これらを整理せずに調整を行うと、 場当たり的な対処になりがちです。
よくある設計調整のパターン
アンテナ・無線設計の調整
RSRPが低い、または特定エリアで品質が悪い場合は、 アンテナ調整が検討されます。
- アンテナ方位の見直し
- 電気・機械チルトの調整
- 隣接セルとのカバレッジバランス調整
パラメータ調整
SINR悪化や干渉が疑われる場合は、 パラメータ調整によって改善を図ります。
- ハンドオーバー条件の見直し
- セル選択・再選択パラメータ調整
- 出力制御・リソース割当の調整
トラフィック分散・構成見直し
スループット低下や輻輳が発生している場合は、 トラフィック分散や構成見直しが検討されます。
- 隣接セルへのオフロード
- 帯域拡張・構成変更
- 増局の検討
設計調整の結果は必ず効果検証する
設計調整を行ったあとは、 必ずKPIやログで効果を確認します。
改善が確認できない場合は、 再度ログ解析に戻り、 別の要因を検討することもあります。
この仮説 → 実施 → 検証の繰り返しが、 品質改善の基本サイクルです。
次のステップ:改善施策の立案と判断
設計調整だけでは対応しきれない場合、 より大きな施策判断が必要になります。
アンテナ調整・パラメータ変更に加えて、 増局や構成変更をどう判断するかについては、 以下の記事で詳しく解説しています。
▶ 次に読む記事: 改善施策の立て方とは?アンテナ調整・パラメータ変更・増局判断の考え方
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