この記事では、J7(品質改善)フェーズにおける ログ解析の役割と実務内容について解説します。
ログ解析は、 KPI(数値)だけでは分からない 通信品質劣化の「原因そのもの」を特定するための重要な工程です。
品質改善全体の流れについては、以下の記事で整理しています。
ログ解析はなぜ必要なのか
KPI解析では、 「どこで」「どの程度」品質が悪化しているかは把握できますが、 なぜその状態になっているのかまでは分かりません。
ログ解析では、 通信のやり取りや端末・基地局の動作履歴を確認することで、 品質劣化の直接的な原因を掘り下げます。
そのため、ログ解析は KPI解析の次に必ず行われる工程となります。
ログ解析で扱う主なログの種類
ドライブテスト(DT)ログ
ドライブテストログは、 実際に端末を持って移動しながら測定した 通信状況の記録です。
- エリアごとのRSRP・SINRの変化
- 切断・再接続の発生ポイント
- ハンドオーバーの成否
ユーザー体感に近いデータが得られるため、 エリア品質の確認に特に有効です。
装置ログ・ネットワークログ
装置ログやネットワークログでは、 基地局やネットワーク装置側の 動作履歴やエラー情報を確認します。
- アラーム発生履歴
- 再起動・リセット履歴
- リソース使用状況
DTログと組み合わせることで、 端末側・装置側のどちらに問題があるか を切り分けることができます。
ログ解析の基本的な進め方
ログ解析は、以下の手順で進めるのが一般的です。
- KPI解析で課題エリア・時間帯を特定
- 該当箇所のDTログ・装置ログを抽出
- 事象発生タイミングの挙動を確認
- 原因仮説を立てる
この工程では、 「原因を1つに決めつけない」 ことが重要です。
ログ解析でよくある原因例
- ハンドオーバー失敗による通信断
- 特定セルへのトラフィック集中
- 干渉による再送増加
- 装置の一時的な不安定動作
これらの原因を整理し、 改善の方向性を明確にする ことがログ解析の目的です。
次のステップ:KPIを使った設計調整へ
ログ解析によって原因の方向性が見えてきたら、 次は具体的な改善案を検討します。
KPIとログの結果をもとに、 設計調整やパラメータ変更を検討する工程については、 以下の記事で詳しく解説しています。
▶ 次に読む記事: KPIを使った設計調整とは?移動体通信設計で品質を改善する実務解説
▶ J7全体の流れに戻る: J7:品質改善・KPI解析・ログ分析の仕事内容