改善施策の立て方とは?アンテナ調整・パラメータ変更・増局判断の考え方
この記事では、J7(品質改善)フェーズにおける 改善施策の立て方・判断の考え方について解説します。
KPI解析・ログ解析・設計調整を行っても、 すべての課題が簡単に解決できるとは限りません。
そのため品質改善では、 どこまでを調整で対応し、どこからを追加投資(増局など)で対応するか を判断する力が求められます。
品質改善全体の流れについては、以下の記事で整理しています。
改善施策を検討するタイミング
改善施策の検討は、 以下のような状況で必要になります。
- 設計調整を行っても改善が限定的な場合
- トラフィック増加により根本的な対策が必要な場合
- エリア特性上、恒久対策が求められる場合
これらの場合、 場当たり的な調整ではなく、施策としての判断 が重要になります。
よくある改善施策の種類
アンテナ調整による改善
比較的コストが低く、早期に対応できる施策が アンテナ調整です。
- アンテナ方位変更
- 電気・機械チルト調整
- アンテナ高さの見直し
軽微なカバレッジ問題や エリアバランス調整に有効です。
パラメータ変更による改善
干渉やハンドオーバー失敗が原因の場合、 パラメータ変更によって改善できるケースがあります。
- セル選択・再選択条件の変更
- ハンドオーバー閾値の調整
- 出力制御・負荷分散設定
ただし、影響範囲が広がるため、 事前検討と影響分析が重要です。
増局・構成変更による改善
トラフィック集中や恒常的な品質悪化がある場合は、 増局や構成変更が検討されます。
- 新規基地局の追加
- セクタ追加・帯域拡張
- 構成・周波数の見直し
効果は大きい一方で、 コスト・工期がかかるため、 中長期視点での判断が求められます。
改善施策を判断する際の考え方
改善施策の判断では、 以下の観点を整理すると検討しやすくなります。
- 影響エリア・ユーザー数
- 改善効果の見込み
- コスト・工期
- 代替案の有無
これらを整理したうえで、 「いま実施すべきか」「将来対応とするか」 を判断します。
改善後は必ず効果検証を行う
改善施策を実施したあとは、 必ずKPIやログで効果検証を行います。
期待した効果が得られない場合は、 再度ログ解析や設計調整に戻り、 別の要因を検討します。
このように、 改善 → 検証 → 再改善 のサイクルを回し続けることが、 品質改善エンジニアの重要な役割です。
品質改善の結果は次の設計へフィードバックされる
J7で得られた改善結果は、 次の設計・増局計画に反映されます。
品質改善は単独で完結する業務ではなく、 設計(J3)と連携して進化し続ける工程です。
設計側の前提となる工程については、 以下の記事もあわせてご覧ください。
▶ J3:設計前提条件の整理(KPI・トラフィック・障害履歴)
▶ J7全体の流れに戻る: J7:品質改善・KPI解析・ログ分析の仕事内容