J4 試験(経験者向け)

【J4-③】障害切り分けとは?試験でよくあるトラブルと原因特定の考え方を実務で解説

この記事では、移動体通信エンジニアの J4:試験・インテグレーション(I/V)フェーズ における重要業務である 障害切り分け・不具合対応 について解説します。

機能試験・性能試験(J4-02)では、 通信不可・品質未達・想定外の挙動が 一定の確率で発生します。

その際に求められるのが、 原因を論理的に切り分け、関係者と調整しながら解決に導く力 です。


障害切り分けはJ4のどの位置づけか

J4フェーズは、以下の流れで進みます。

  • ① 試験準備・パラメータ投入
  • ② 機能試験・性能試験
  • ③ 障害切り分け・不具合対応(本記事)
  • ④ サービスイン判定・報告

障害切り分けは、 試験結果を「是正可能な問題」へ変換する工程 とも言えます。


試験でよくあるトラブルの種類

J4フェーズで頻出するトラブルには、 次のようなものがあります。

  • 疎通試験で通信が確立しない
  • 通信はできるが速度が出ない
  • ハンドオーバーが失敗する
  • 特定条件下でのみ通信が不安定

これらは一見すると似ていますが、 原因の切り口はまったく異なります。


障害切り分けの基本的な考え方

切り分けで重要なのは、 闇雲に確認しないことです。

基本は次の順序で考えます。

  1. どこまで正常か(正常範囲の特定)
  2. どこから異常か(境界点の特定)
  3. 構成・設定・設計との差分確認

この考え方は、 設計(J3)・品質改善(J7) にも共通します。


ログ・アラームを使った切り分け

多くの不具合は、 ログやアラームにヒントが残っています。

主に確認するログ・情報

  • 装置ログ(RAN/伝送/コア)
  • アラーム発生タイミング
  • 設定変更履歴
  • 試験実施条件(場所・時間・負荷)

単発で見るのではなく、 時系列で突き合わせる ことが重要です。


設計・施工起因かを見極める

切り分けでは、 「これは設計の問題か?施工の問題か?」 を早期に判断することが求められます。

  • 設定値が設計資料どおりか
  • 物理接続・配線ミスがないか
  • 装置の型番・ソフトバージョン違い

ここでの判断が遅れると、 関係部署間の調整が長期化しやすくなります。


ベンダー・関係部署との調整

J4の障害対応は、 個人作業では完結しません。

  • 設計担当(J3)への確認・修正依頼
  • 施工担当(J1)への現地是正依頼
  • ベンダーへの仕様確認・不具合報告

事実ベースで情報を整理し、 感情ではなくデータで説明する ことが重要です。


障害切り分け後にやるべきこと

原因が特定できたら、 再試験・是正確認 を行います。

  • 設定修正後の再試験
  • 性能値の再測定
  • 再発防止観点での整理

この結果が、 次工程のサービスイン判定(J4-04) につながります。


前後工程との関係

障害切り分けは、 設計・試験・改善をつなぐ重要な工程です。

▶ 試験工程: J4-02 機能試験・性能試験とは?

▶ 設計視点: J3 無線設計・伝送設計の仕事内容

▶ 改善工程: J7 品質改善・KPI解析の仕事内容


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