J3 設計(経験者向け)

障害履歴を設計に活かす方法とは?移動体通信ネットワークの再発防止設計

障害履歴を設計に活かすとは?再発を防ぐための設計実務

移動体通信ネットワークでは、 どれだけ入念に設計しても

  • 通信障害
  • 品質劣化
  • 一時的なトラブル

が発生することは避けられません。

重要なのは、 発生した障害を「次の設計」にどう活かすか です。

この記事では、J3 設計フェーズにおいて 障害履歴を設計へ反映する考え方と実務 を解説します。


なぜ障害履歴を設計に反映する必要があるのか

障害対応だけで終わってしまうと、

  • 同じ場所で同じ障害が起きる
  • 似た構成で同様のトラブルが発生する

といった事態が起こりやすくなります。

設計段階で障害履歴を確認することで、

  • 再発防止
  • 設計品質の底上げ

が可能になります。


設計前に確認すべき障害履歴の種類

設計で参照する障害履歴には、 主に以下の種類があります。

  • 通信断・輻輳などの重大障害
  • 一部エリアでの品質劣化
  • 定期的に発生している軽微な障害

「大きな障害」だけでなく、 繰り返し発生している小さなトラブル にも注目することが重要です。


障害履歴とKPIを組み合わせて考える

障害履歴は、単体で見るよりも KPIと組み合わせて確認することで 設計に活かしやすくなります。

  • 障害発生前後のKPI変化
  • 特定時間帯・特定セルでの傾向

これにより、

  • 一時的な事象か
  • 構造的な問題か

を切り分けることができます。

KPIの前提については、

設計前提条件の整理(KPI・トラフィック・障害履歴)とは?

をあわせて参照すると理解しやすくなります。


無線設計へ反映する代表的なケース

障害履歴から得られた情報は、 無線設計の見直しに活かされます。

  • 特定方向での干渉が多い
  • セル境界付近での切断が多い
  • トラフィック集中による品質劣化

このような場合、

  • アンテナ方位・チルトの再検討
  • セル構成の見直し

といった設計修正が検討されます。

無線設計とは?セル設計・アンテナ・パラメータを決める仕事


伝送・ネットワーク設計へ反映するケース

障害原因が無線以外にある場合、

  • 回線輻輳
  • 冗長構成不足
  • ネットワーク経路の偏り

が疑われます。

この場合は、

  • 回線帯域の増強
  • 冗長構成の追加
  • 経路設計の見直し

といった、 伝送・IP設計の修正が行われます。

伝送設計・IP設計とは?


障害履歴を活かせる設計者の評価

障害履歴を設計に反映できる設計者は、

  • 現場・運用を理解している
  • 再発防止の視点を持っている

と評価されます。

これは、

  • 品質改善(J7)
  • PM/PMO(J8)

といった上流工程へ進む際にも 大きな強みになります。


まとめ

障害履歴を設計に活かすことは、 設計品質を高めるうえで欠かせない取り組みです。

単なる「過去のトラブル」として終わらせず、 次に活かす設計判断 につなげることで、 ネットワーク全体の安定性が向上します。

移動体通信エンジニアとして 設計職で一段上を目指す方 にとって、 必ず身につけておきたい考え方と言えるでしょう。

お仕事マップに戻る


-J3 設計(経験者向け)

© 2026 移動体通信のお仕事完全解説