この記事では、移動体通信エンジニアの J4:試験・インテグレーション(I/V)フェーズ における中核業務である 機能試験・性能試験 について解説します。
基地局やネットワークは、設計・施工が完了しただけでは サービスとして提供できません。
「通信できるか」「品質は問題ないか」「想定どおりの性能が出ているか」 を確認する工程が、この機能試験・性能試験です。
機能試験・性能試験はJ4のどの位置づけか
J4フェーズは大きく以下の流れで進みます。
- ① 試験準備・パラメータ投入
- ② 機能試験・性能試験(本記事)
- ③ 障害切り分け・不具合対応
- ④ サービスイン判定・報告
本記事で扱う「機能試験・性能試験」は、 サービスイン可否を左右する最重要工程 と言っても過言ではありません。
機能試験とは何を確認するのか
機能試験では、 「通信として最低限成立しているか」 を確認します。
主な機能試験の内容
- 基地局とコアネットワーク間の疎通確認
- データ通信の接続可否確認
- 音声通話(VoLTEなど)の発着信確認
- ハンドオーバー(基地局切替)の動作確認
この段階で通信が成立しない場合は、 設計・設定・配線・装置状態 のいずれかに問題がある可能性が高く、 後続の切り分け対応(J4-03)につながります。
性能試験とは何を確認するのか
性能試験では、 「通信できるか」ではなく「どの程度の品質か」 を確認します。
主な性能試験の内容
- スループット(上り/下り速度)測定
- 通信遅延(レイテンシ)確認
- パケットロス有無の確認
- 負荷試験(同時接続時の挙動確認)
ここでは、 設計時に想定したKPIを満たしているか が重要な判断基準となります。
切替試験(HO試験)で確認するポイント
移動体通信では、 基地局間の切替(ハンドオーバー)が正常に行われることが不可欠です。
切替試験での確認項目
- 移動中に通信断が発生しないか
- 切替時の遅延や音切れがないか
- 意図しない基地局へ収容されていないか
切替試験の結果は、 後工程の品質改善(J7)にも そのまま活用されることが多いデータです。
機能試験・性能試験でよくある指摘ポイント
- 疎通はするが速度が出ない
- 特定条件下のみ通信が不安定
- 設計想定と実測値が乖離している
こうした事象が見られた場合、 すぐにNGと判断せず、原因切り分けに進む のがJ4エンジニアの役割です。
次に行う工程:障害切り分け・不具合対応
試験で問題が見つかった場合は、 ログ解析・設定確認・関係部署調整 を行い、原因を特定します。
▶ 次の記事: J4-03 障害切り分け・不具合対応とは?
前後工程との関係
本記事の内容は、 設計(J3)と品質改善(J7)の橋渡しとなる工程です。
▶ 設計側の視点: J3 無線設計・伝送設計の仕事内容
▶ 品質改善の視点: J7 品質改善・KPI解析の仕事内容
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