この記事では、移動体通信エンジニアの J4:試験・インテグレーション(I/V)フェーズ における重要業務である 障害切り分け・不具合対応 について解説します。
機能試験・性能試験(J4-02)では、 通信不可・品質未達・想定外の挙動が 一定の確率で発生します。
その際に求められるのが、 原因を論理的に切り分け、関係者と調整しながら解決に導く力 です。
障害切り分けはJ4のどの位置づけか
J4フェーズは、以下の流れで進みます。
- ① 試験準備・パラメータ投入
- ② 機能試験・性能試験
- ③ 障害切り分け・不具合対応(本記事)
- ④ サービスイン判定・報告
障害切り分けは、 試験結果を「是正可能な問題」へ変換する工程 とも言えます。
試験でよくあるトラブルの種類
J4フェーズで頻出するトラブルには、 次のようなものがあります。
- 疎通試験で通信が確立しない
- 通信はできるが速度が出ない
- ハンドオーバーが失敗する
- 特定条件下でのみ通信が不安定
これらは一見すると似ていますが、 原因の切り口はまったく異なります。
障害切り分けの基本的な考え方
切り分けで重要なのは、 闇雲に確認しないことです。
基本は次の順序で考えます。
- どこまで正常か(正常範囲の特定)
- どこから異常か(境界点の特定)
- 構成・設定・設計との差分確認
この考え方は、 設計(J3)・品質改善(J7) にも共通します。
ログ・アラームを使った切り分け
多くの不具合は、 ログやアラームにヒントが残っています。
主に確認するログ・情報
- 装置ログ(RAN/伝送/コア)
- アラーム発生タイミング
- 設定変更履歴
- 試験実施条件(場所・時間・負荷)
単発で見るのではなく、 時系列で突き合わせる ことが重要です。
設計・施工起因かを見極める
切り分けでは、 「これは設計の問題か?施工の問題か?」 を早期に判断することが求められます。
- 設定値が設計資料どおりか
- 物理接続・配線ミスがないか
- 装置の型番・ソフトバージョン違い
ここでの判断が遅れると、 関係部署間の調整が長期化しやすくなります。
ベンダー・関係部署との調整
J4の障害対応は、 個人作業では完結しません。
- 設計担当(J3)への確認・修正依頼
- 施工担当(J1)への現地是正依頼
- ベンダーへの仕様確認・不具合報告
事実ベースで情報を整理し、 感情ではなくデータで説明する ことが重要です。
障害切り分け後にやるべきこと
原因が特定できたら、 再試験・是正確認 を行います。
- 設定修正後の再試験
- 性能値の再測定
- 再発防止観点での整理
この結果が、 次工程のサービスイン判定(J4-04) につながります。
前後工程との関係
障害切り分けは、 設計・試験・改善をつなぐ重要な工程です。
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