この記事では、J7(品質改善)フェーズにおいて必須となる KPI(主要指標)の読み方について解説します。
品質改善の業務では、 「なんとなく電波が悪そう」 「体感的に遅い」 といった感覚ではなく、 数値(KPI)を根拠に状況を説明する力が求められます。
この記事を読むことで、 RSRP・SINR・スループットといった代表的なKPIをどのように見て、 通信品質を判断すればよいのかが整理できるようになります。
品質改善全体の流れについては、以下の記事で解説しています。
KPIとは何か(品質改善における役割)
KPI(Key Performance Indicator)とは、 通信品質を数値で評価するための指標です。
品質改善では、 「どこが悪いのか」 「どの程度悪いのか」 を定量的に把握する必要があります。
KPIを正しく読むことで、 電波問題なのか、干渉なのか、トラフィック過多なのか といった方向性を切り分けることができます。
代表的なKPIと見るポイント
RSRP(受信電力レベル)
RSRPは、基地局から端末に届く電波の強さを表す指標です。
- 数値が低い:電波が弱い(カバレッジ不足の可能性)
- 数値が高い:電波が強い
RSRPが低い場合は、 アンテナ位置・方位・チルトの見直しや 増局が検討されることが多くなります。
SINR(信号対干渉雑音比)
SINRは、受信した信号に対して、 干渉や雑音がどの程度影響しているかを示す指標です。
- SINRが低い:干渉が強い、品質が不安定
- SINRが高い:通信が安定しやすい
SINRが悪化している場合は、 セル間干渉・パラメータ設定に課題がある可能性があります。
スループット(通信速度)
スループットは、 実際にどれだけのデータを送受信できているか を表す指標です。
RSRPやSINRが良好でも、 スループットが出ない場合は、 トラフィック集中やリソース不足 が疑われます。
KPIは「単体」ではなく「組み合わせ」で見る
品質改善では、 KPIを単体で判断することはほとんどありません。
例えば、
- RSRPが低く、SINRも低い → カバレッジ問題
- RSRPは良いがSINRが低い → 干渉問題
- KPIは良いがスループットが低い → トラフィック問題
このように、 KPIの組み合わせから原因の方向性を仮説立てする ことが、品質改善の第一歩になります。
次のステップ:ログ解析で原因を深掘りする
KPIを確認しただけでは、 「なぜそうなっているのか」までは分かりません。
KPIで方向性をつかんだあとは、 ログ解析やドライブテストによって 原因を具体化していきます。
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